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2021年3月5日

高齢化時代の企業戦略 “しあわせな暮らしのお手伝い” シニアホームサービスで地域に貢献

※ こちらの記事は、株式会社月刊ガソリンスタンド社よりご提供いただいた記事となります。



2030年代の純ガソリン新車販売禁止宣言とともに、SS業界に大きな影響を与えるのが高齢化問題だ。


日本の総人口に占める65歳以上の人口の割合(高齢化率)は28.4%(令和元年時)。令和18年には33.3%で3人に1人、令和47年には38.4%に達して2.6人に1人が高齢者となる予測。


そんな高齢化時代に対応して、独自の生き残り戦略を描く販売業者を取材した。


大谷商会 コスモ系=大分県由布市湯布院町・大谷章社長


高齢者を見守るシニアホームサービスを展開

全国屈指の人気温泉地、湯布院の中心地に本社を構えるのが、大谷商会だ。



由布院駅

3店舗のSS運営を主軸に、LPガス、水回りのリフォーム、ミネラル水の宅配、レンタカー事業を展開。生活の基盤となるエネルギー供給を通して、車の安心安全走行や安心して暮らしていける生活をサポートしている。



湯布院の町の中心部に位置する大谷商会本社

そんな同社では、約5年前からユニークなサービスを開始し地域住民から好評を博している。


それは、高齢者を見守るシニアホームサービスだ。1カ月1000円で月に1回30分の定期訪問を行うというもので、住まいや身の回りの相談など、高齢者が安心して暮らせるサポートを実施している。



大谷 章 社長

同事業を始めた目的について、大谷章社長は、「少子高齢化が進むなかで、要介護、要支援に認定されない元気な高齢者が増えています。元気とはいっても、加齢とともにできないことが増えたり、核家族化で孤立する傾向が強まっており頼るところがない状況が生まれているのです。今の時代、歳をとればとるほど不安になるのが実情。そのなか、元気なお年寄りが自宅で安心して暮らせるように、自分たちにできることはないか? という想いからシニアサービスを開始しました」と語る。


話し相手、相談相手がいない地域社会で高まるニーズ

現在、シニアホームサービスは、総務課の中野喜久一さんと秋吉広治さんの2人で担当している。



左から秋吉広治さん、中野喜久一さん

開始から5年が経過し、利用者は順調に伸びており、毎月、訪問を楽しみに待っている利用者が増えているという。


具体的にどのようなニーズがあるのだろうか。


中野さんは「一番は話し相手です。困りごとや愚痴の聞き役として、30分の滞在予定が1時間、2時間になることもあります。話に“そうですね”とうなずいていると明らかに元気になられます」。


ほかには、「例えば、歳をとると以前できたことができなくなります。椅子に乗って電球を交換することもできないのです。ヘルパーさんが定期的に訪れても掃除や家事だけでも忙しそうなため、ちょっとしたことも頼みにくい。そのようなことを我々がお手伝いするわけです」と秋吉さん。


「お掃除ロボットがいなくなったという相談もあります。ベッドの下の奥にいましたが」と微笑む。


この冬は厳しい寒波が襲い、湯布院ではマイナス7度まで気温が下がった。湯沸し器のお湯が出ない、エアコンが効かないといった相談の電話が数多く掛かってきたそうだ。



シニアホームサービスの会員を募るチラシ

また、近年話題となっている高齢者の免許返納も、生活の不便に直結しており切実な問題だ。


「この地域の人は、お米を玄米で保存して、その都度精米する習慣があるのですが、車がないから行けないと代行を依頼されるお客様もいらっしゃいます。畑仕事の肥料も同様です」。


高齢者の生活の数だけ困りごとはあり、草刈や木の剪定、終活の一環である不用品の処分など、その事例は枚挙にいとまがない。


基本的に、月額1000円の範囲でできること、それを越える仕事は実費を請求したり、仲介するなど柔軟に対応している。


訪問に使う車は灯油のミニローリー。利用客の半数が訪問のついでに給油を依頼する。「一度に10ℓほどですが喜ばれます」と秋吉さんは話す。


SSを地域の安心拠点へ シニアホームサービスのビジネスモデル確立にまい進

シニアホームサービスの事業化にあたって、収益が出るモデルとして成り立たせたいと考えたが、「ビジネスにならなくても仕方がない。商売抜きで地域のために覚悟と使命感をもって臨みました」と大谷社長。


もちろん、本心では、成り立つと信じており、困りごとの相談の延長からリフォームにつながったり、エアコン買い替え、タイヤ交換、車の乗り換えにつながるケースもあり、「現時点ではまだまだですが、これからもっと関係を深めていければ、何か購入するときは“どうせなら大谷さんのところへ”という具合に後から商売につながってくると思います」と確信している。



安心安全をサポートするSSスタッフ

同社では現在、湯布院エリアにおいて車で半径30分の商圏を対象に訪問活動を展開している。


「利用客が増えていくなか、拠点を増やしていきたい。そのためにはビジネスモデルの確立が課題です。弊社だけでなく、ほかの地域のSSでも同様の取り組みが広がれば、サービスステーションとしての機能や拠点性が生かせると思います。今後ガソリン需要は減っていきます。車だけを対象に考えるとジリ貧になってしまいますが、“人”に焦点を当てると、地域に“安心”を提供するSSの存在価値が輝くと信じています」と大谷社長は力を込める。



SSが安心の町づくりの拠点へ

月刊ガソリン・スタンド 2021年 2月号

P.42 「高齢化時代の企業戦略 “しあわせな暮らしのお手伝い” シニアホームサービスで地域に貢献」より


【 掲載ガソリンスタンド 】

コスモ石油 湯布院第1SS / (有)大谷商会 (大分県由布市湯布院町)

コスモ石油 セルフ湯布院SS / (有)大谷商会 (大分県由布市湯布院町)


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